標高2700メートルのジョムソンからどんどん高度を稼ぐので、周りにはもう緑はありません。
富山で言うと雄山の山頂あたりの風景に似ているでしょうか?
でも石の色が雄山より黒くて、よりいっそう「荒涼」とした感じが漂います。
このまま進んでいけばムスタンを通ってチベットに行けるのです。
そう考えただけで足に力が入り、どんどん先へと歩を進めてしまいます。
途中、川原を歩いていると、黒い石にチョークで書いたような白い線が入った石をたくさん見つけました。
チベットなどで珍重される「Gストーン」という石の原石のようです。
高いものだと小さなものでもひとつ何万円もするそうなので、キャプテンは興味深々に!一生懸命綺麗な石がないか探してみましたが・・・そんなに簡単には見つかるものではないようです。
えんえん石の荒野を歩き、崖を登り、2時間ほど歩いたでしょうか。
そろそろ疲れたな~と思った頃、崖のかげからおばあさんが出てきました。
トレッキング前に、道中マオイストが通行料を不正徴収しようとしたりするので気をつけて!と言われていたので、ちょっと身構えましたが、どうみてもただのおばあちゃん。
それに、綺麗な赤やみどりのフェルトを使った民族衣装を着ています。
おばあちゃんの手にはたくさんのりんごが・・・
そう!峠の茶屋ならぬ、峠のりんごおばあちゃんだったのです。
トレッカーがちょうど休憩したくなる、絶妙な位置で待ち構えているのでしょう。
ニコニコ笑っていますが、(絶対売ってやる!)という気合が感じられます。
喉も乾いていたので、りんごを二つもらってお金を払うと
「つり銭がない!」と言います。
困ったな~どうするかな~と考えていたら、
(ぽん!)とりんごをもうふたつ渡してきました。
あきらかにりんご4つは食べきれないし、お金からするとりんご4つでもまだお釣りが必要なんだけど~
ここはおばあちゃんに負けてそのまま高いりんごを4つ買うことにしました。
おばあちゃんの笑顔がいっそうニコニコになります。
高度3000メートル近くの崖をひとりで2~30個のりんごを抱えて登り、そこで来るかどうかもわからないトレッカーを待つのはのはいったいどんな気持ちなんだろうと少しせつなくなりました、。
が、(今日の商売終わり!)といった感じでさくさくりんごを片付るおばあちゃんを見て、たくましいなあと逆に元気をもらったのでした。
結局おばあちゃんとの出会いで区切りがつき、そこで来た道を引き返すことにしました。
高度はたぶん3000は超えていたでしょう。
往復4時間。「今日からトレッキングだ!」という気合だけで登ってしまったのでした。
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