前夜のサソリ騒動に引き続き、朝起きるとなんだかレストランテントが騒がしい。
行ってみるとガイドさんが「トラがでた!」と騒いている。
おお、いよいよか!と喜ぶと、本体ではなく足跡だという。
な~んだ。足跡か。
とにかく見に来いと言うのでついて行くと、レストランテントから50メートルも行かないところの白い砂の上にきれいにぽっこりとトラの肉球あとが確認できた。
見渡すとすぐにテントが見える位置。
夜の間は、一応テントの端にライフルを持った見張りがいたはずなので、こんなに近くに来るかなあ・・・とまたまた疑いの気持ちが浮上する。
キャプテンが
「トラの足型持ってるでしょう。スタンプで押したんじゃない?」と言うと
ガイドは
「ほんもの、ほんもの!トラがここを通ってテントの様子を伺って行ったんだ」と興奮して言う。
やはりあやしい雰囲気。
いつもトラが来ているならそんなに興奮しないはず。
さらにガイドさんを疑いながらも、そのまま5回目のエレファントサファリに出発!
今回は、今までのゾウよりさらに小さい女の子。
ガイドさんは「この子はいい子なんだ」と言うけれど、頼りになるのかなあ?
ゾウの背丈を超えるほどの高い草をかき分けて、どんどん奥地に進みます。
昨日とは反対。川のせせらぎが聞こえるあたりまできた時に、ガイドさんが
「喋らないで!」と強く言いました。
サファリも5回目となるとそんなに珍しくもなく、動物が見えても余裕で話をしていたキャプテンは
「またまた~。」とそのまましゃべり続けました。
すると
「本当にやめてください」とかなり強く叱られました。
耳をすますガイドさん。
「声が聞こえる・・・」
キャプテンも真剣に耳を澄ましてみると・・・
「グルルルルゥ・・・」
聞こえた!
低くて深い鳴き声が響き渡ってくる!これはトラ!?
うんうんうなづくガイドさん。
「わあ!トラだって!」と大興奮!
「し~」っとたしなめるガイドさん。
小さな声で前にいるガイドに指示を出して、ゾウを川の方へと向かわせる。
どうやらトラは、川の中洲にいるようだ。
ドキドキと鼓動が高まる。
いよいよ川だ。
ゾウが川岸をまたいで水の中に入る。
ゆさっとすごい揺れがからだに伝わってくる。
川に足を踏み入れてしばらく歩いたところで急にゾウがストップした。
何か、見えるのだろうか?それとも方向がわからなくなったのか?
耳を澄ます私達・・・
すると
「コンコン」と大きな音が!
ゾウを操るガイドさんがゾウの頭を鉄の棒で叩いている。骨に響く大きな音。
どうやら、ゾウは進みたくないらしい。
ガイドさんの(すすめ)の合図にイヤイヤ!と従わない。
すすめ!ゴン!とさらに強くガイドさんが頭を叩いた!
すると、「パオーン!!!」
と耳をつんざくようなものすごい音がした。
長い鼻を振り上げ、身体全体で「嫌です!」と完全拒否。
前のガイドさんは「無理だけど・・・」と振り向くも、後ろのガイドさんは
こんな機会めったにない!といった感じで、進め!の支持を出し続ける。
それを受けて、前のガイドさんがさらに強く、おもいっきり頭を叩いてゾウの向きを中洲に向かせた。
するとその瞬間、グラグラグラっと、体が揺れてあっという間に水面が迫ってきた!
落ちるのかも!とは思わなかった。何が起こったのかわからなかった。
絶対にトラのいる方角に向いたくなかったメスゾウは、上に乗っている人たちを振り落として逃げようとしていたのだ!
なんとか、バランスは保っているものの、ゾウにくくりつけてある座席はくるりと回って横になってしまった。
そのままでは、帰れないので、ガイドさんがゾウから降り
横になった座席を直し、ゾウをなだめて川岸に戻りました。
あとから、聞くとエレファントサファリ中にゾウがトラに襲われたことが過去にあったのだそうだ。
ゾウの高さ3メートル程まで平気で飛びかかってくるらしい。
どうやら、最高級のタイガートップでもトラを見ることは難しそうだった。
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